「次の一手」は、次の最善手(一番良い手)を考える問題です。
詰将棋は終盤力を鍛えるのに良いですが、「次の一手」は序盤、中盤、終盤のいろんな局面が問題になり、先を読むトレーニングになります。
答え方は、選択肢の中から最善手を選ぶこと。
例えば、「2の▲5二金」といった具合で答えます。
相手は次に何を指してくるか、その次、自分は何を指すか、三手くらい先を必ず考えましょう。
*こちらも年度末の「将棋大賞」の対象になります。
答えを詰将棋のようにノートに書いて提出しましょう。
解けたら3点。間違っても1点。
ヤマ感でも良いのでトライしてみましょう。
問題①
過去3問ほど、「玉を上から押さえる」寄せの問題を考えてきました。これはその発展問題です。数手先に玉を受けナシにする次の一手をどれでしょうか?
1.▲6四桂
2.▲6一竜
3.▲5三桂
答え
1.▲6四桂
以下、△同歩、▲6一竜、△同玉、▲6三銀
で受けナシになります。
例えば、△5一玉、▲5二金
△6二金には▲5三桂、△5一玉、▲4一金まで
問題①
詰将棋ではなく、寄せを考える問題です。相手玉を受けナシにする一手はどれでしょう?
1.▲5三金
2.▲5三角成
3.▲5三桂
答え
2.▲5三角成
この後、もし相手玉が△4一玉や△6一玉と逃げても頭金で詰み。
仮に△5二金などと粘って来られても、▲4三桂、△6一玉、▲7一金で詰み。こうやって、相手玉を上から押さえる、ことを覚えておきましょう。
1の▲5三金だと、△6一玉で捕まりません。
3の5三桂だと、角道をブロックしているので、△4二玉などで上部へ逃げられてしまいます。
問題①
三手で相手を受けなし(どう対応しても次に詰んでしまう状態)に追い込みましょう。次の一手は?
1.▲5四銀
2.▲2四桂
3.▲4四桂
答え
3.▲4四桂
以下、△同歩、▲4三銀で受けなしになります。
なお、▲5四銀だと、△3二玉と逃げられます。
問題①
詰将棋の前の段階、「寄せ」を考える問題です。
持ち駒はたくさんありますが、次のどの手が一番良いでしょうか?
1.▲5三角
2.▲5三金
3.▲5三銀
4.▲5三桂
5.▲5三香
6.▲5三歩
答え
3.▲5三銀
相手が居玉(玉を動かしていない状態)の場合、5三の地点が急所になります。金や銀を5三に打つのがポイントで、この場合、持ち駒が金と銀が一枚ずつなので、まず銀を使って詰めろをかけるのが正解。
問題①
「角換り」という戦法で登場する局面。後手が△8五歩と飛車先の歩をついてきました。次の一手は?
1.▲7八金
2.▲2四歩
3.▲7七角
答え
3.▲7七角
飛車先の歩の交換をさせないように角を上げて受けておきます。
この後、△3四歩、▲6八銀、△7七角成、▲同銀と進むと「角換り」という戦法になります。
相居飛車の有名な戦法となるので、言葉と出だしの定跡を覚えておきましょう。
問題①
初心者同士の対局でよく見かける局面。
後手が飛車先の歩を交換し、飛車を一旦引きました。その後、先手は角頭をケアせず△8七歩と打たれたところです。次の一手は?
1.▲8七金
2.▲7七角
3.▲2四歩
答え
2.▲7七角
序盤では駒損や竜を作られるのは避けたいところ。なので、1の▲8七金は△同飛成で劣勢に。
▲2四歩は、(1)△同歩、▲2三歩、または(2)△8八歩成、▲2三歩成と一手遅れます(先に王手をされると受けないといけない)。
なので、ここは一旦▲7七角と逃げ、次に▲8六歩~▲8七金と歩を捕獲するのが無難です。
問題①
お互いに飛車先の歩を交換し合う相掛かり(あいがかり)戦法の問題。後手が桂や銀の活用を狙う△7四歩とついてきたところです。
先手の次の一手は?
1.▲3六歩
2.▲5八玉
3.▲2二角成
三手先まで読めると正解が見えます。
答え
3.▲2二角成
その後、△2二同銀、▲9五角と飛車越しに王手をかけることができます。さらにその後、△7三銀、▲8四角、△同銀、▲8二飛と敵陣の左辺は崩壊し、一気に優勢になります。
問題①
四間飛車の手筋(てすじ)問題。
先手は四間飛車(しけんびしゃ)、後手は穴熊に組んだところ。
後手から、△8六歩と飛車先の歩をついて、▲8六同歩、△同角と進んだ局面。後手が、角交換と飛車の成込みのプレッシャーをかけてきています。次の一手は次のうちどれ?
1.▲8八飛
2.▲8六同角
3.▲8七歩
答え
1.▲8八飛
先手が良くなるわけではないですが、他の手だと悪くなります。
もし▲8六同角なら、△同飛、▲8八歩などと、相手の飛車の成込みを防ぐ必要があります。
もし▲8七歩なら、△7七角成、▲同桂、△8七飛成で厳しくなります。
問題①
今回も実践的な局面から。
先手は▲3六歩~▲4六銀と、銀を早めに繰り出す「早繰り銀(はやくりぎん)」という戦法を採用。
局面は、後手が△3一玉と寄ったところ。この手をとがめるキツイ次の一手は?
1.▲4五銀
2.▲3五歩
3.▲3三角成
答え:3、▲3三角成
以下、△同銀、▲7五角で、王手をかけつつ飛車取りの「王手飛車」をかけることができます。
序盤、何気ない手でも大きな落とし穴が潜んでいます。逆に、そのようなチャンスを逃さないためにも、常に読みを入れながら指していきたいところですね。
問題①
先手は2一に、後手は3一にそれぞれ竜を作ったところで、先手玉は6六に馬もあり鉄壁です。相手玉は美濃囲い。次の一手は?
1.▲5五銀
2.▲8六香
3.▲2二竜
答え
2.8六香
2一の竜を6一に切り込ませていくには、7二の銀が邪魔。
8三の玉頭に狙いを定めて、7二の銀を動かすか、相手玉を上部に誘いだすのが手筋です。
ちょっと難しいですね。
問題①
8枚落ち。上手の玉を追い込んだところです。次の一手は?
1.▲7三桂成
2.▲3二金
3.▲8一竜
答え
1.▲7三桂成
局面は、右側は2二の金、左側は8二の竜で、上手玉をブロックしている状態です。あとは、6二にいる金が邪魔なので、その金を狙っていくのが良い攻め方です。▲7三桂成は、次にその6二の金を取るぞ、という手。しかも、竜のニラミが利いているので、△7三同金とは取れません。相手はもうこれで身動きが取れなくなりますね。
2の▲3二金は、例えば、△6一玉~△7二金などと金をタテに竜を追い払われてしまうかもしれません。
3の▲8一竜は、△6一金と竜が右辺へ動くのをブロックされてしまいます。
問題①
終盤の次の一手問題です。
1.▲5二金
2.▲2二金
3.▲5三金
相手の持ち駒は豊富なので、ヌルい手だと受けられてしまいます。
答え
2.▲2二金
「送りの手筋」と言われる終盤のテクニックです。
金を捨てながら、玉を「送って」、一間龍の形に持っていきます。
ちなみに、▲2二金の後は、
△同金、▲4二竜、△3二香、▲3一銀、△1一玉、▲3二竜
で詰みます。
1.▲5二金や3.▲5三金と4二の銀をはがそうとしても、△4一金や△3一金などと駒を足されてねばられてしまいます。
問題①
お互い居飛車(いびしゃ)。
先手は飛車先の歩を交換し、一旦自陣まで飛車を引いたところ。
後手は角頭を放置し、△6二銀と銀を攻めに使おうとした局面です。
次の一手は?
1.▲2三歩
2.▲7六歩
3.▲2四歩
答え
3.▲2四歩
▲2三歩は△3三角などと角がかわされる上に、自分で打った歩が邪魔で2筋を破れません。▲7六歩は角を使う自然な手のように見えますが、△8八角、▲同銀、△2二銀などと2筋を固められます。
▲2四歩と、次に▲2三歩成と金と角の両取りを見せるのがポイントです。後手も受ける手がありません。このように次に成らせて相手を困らせる歩の使い方を「垂れ歩(たれふ)」と言います。中上級者からプロ棋士までこの垂れ歩を使いますので覚えておきましょう。
問題①
お互い飛車先の歩を付き合って、先手は▲7八金とあがったところ、後手が△8六歩と仕掛けてきたところです。次の一手は?
1.▲2四歩
2.▲8六同歩
3.▲2六飛
答え
2.▲8六同歩
△8七歩成とされてしまうと、角と金の両取りで受けられないので、ここは取る一手。
問題②
後手が飛車先の歩を突き捨てて来た局面です。次の一手は?
1.▲2四歩
2.▲8七歩
3.▲8二歩
答え
1.▲2四歩
何となく▲8七歩と飛車を追い返したいところですが、ここは攻め合うのがポイント。
もし▲2四歩に対して、△8七歩と打ってきても、構わず▲2三歩成、△8八歩成と進めましょう。
ただし、そこで▲2二とだと、△7八となどと、左辺が崩壊してしまうので、▲同銀と一旦受ける必要があります。
問題③
後手が飛車先の歩を突き捨て、先手も飛車先の歩を突き捨てた局面。次の一手は?
1.▲2四飛
2.▲8七歩
3.▲2三歩
答え
3.▲2三歩
これで後手の角が詰みました。
以上、3問は「相掛かり」という戦法の定跡です。
序盤の何気ない一手にも落とし穴がたくさん潜んでいて、ちょっとしたミスが命取りになります。
ちなみに、この相掛かりという戦法は、今プロ棋士の中でホットな戦法の一つです。
問題①
△3二金までの局面。
次の3つのうち、やってはいけない手はどれでしょう?
1.▲7八金
2.▲6六歩
3.▲2四歩
一見、普通に見える手に思わぬ落とし穴が潜んでいます。
答え
3の▲2四歩をやると、痛い目にあってしまいます。
狙いは▲2四歩、△同歩、▲同飛と飛車先の歩の交換。
ところが、その飛車が浮いた瞬間が危険で、
△8八角成、▲同銀、△3三角(図)
と飛車と銀の両取りになってしまいます。
この場合は、▲2八飛と引き上げることで両取りを受けることは可能。
ですが、不用意に飛車が上がると角を交換されて両取りを狙われることがあるので気をつけましょう。
問題①
△7二銀までの局面。
次の一手はどれでしょう?
1.▲2四歩
2.▲3八銀
3.▲7六歩
ちなみに、初手から▲2六歩、△8四歩、▲2五歩、△8五歩、▲7八金、▲7二銀。お互い飛車先の歩をついて、先手は金を上げ、後手は銀を上げて攻めようとしてきたところです。
答え
1の▲2四歩。
以下、△同歩、▲同飛と進むと次の図になります。
次に、▲2三歩を見せてプレッシャーをかけます。
もちろん、△1四歩や△3四歩と受けておくことが最善ではあるのですが、入門レベルでは受け切れずに角を捕獲できることが多いので覚えておきましょう。
ちなみに、2の▲3八銀、3の▲7六歩も自然な手ではありますが、相手の角頭が薄いうちにとりあえず仕掛けてポイントを稼ぎましょう。
問題①
△8六飛までの局面。
次の一手はどれでしょう?
1.▲8七歩
2.▲7八金
3.▲2四歩
やや難易度は高いですが、初級者の対局でもよく出てくる局面なので、覚えてライバルと差をつけましょう!
ちなみに、初手から
▲2六歩、△8四歩、▲2五歩、△8五歩
とお互い飛車先の歩を伸ばして、先手が▲7六歩としたところ、後手が△8六歩とし、▲同歩、△同飛と進んだ局面です。
守るべきか、攻めるべきか、考えてみましょう。
答え
3の▲2四歩
▲8七歩は△同飛成で歩をタダで取られる上に、竜まで作られてしまいNG。
▲7八金は、①△8二飛と引かれ、次に△8六歩などを狙われる、②△7六飛と歩を取られて、飛車に良いように動かれてしまう、と防戦一方で弱気な手です。
▲2四歩が、相手のスキをつく良い手です。
以下、△同歩、▲2三歩(図)
これで角を捕獲でき、先手が優勢です。
角の頭は弱点、と覚えておきましょう。
これは「角換わり」戦法などの定跡です。
問題①
△8三銀までの局面。
2筋の飛車先の歩を交換して、後手が棒銀で銀を8三まで上げてきました。次の一手は次の3つのうちどれでしょう?
1. ▲6八銀
2. ▲2三歩
3. ▲9六歩
答え
2の▲2三歩。相手が角を守るためには、△同金しかないですが、▲同飛成と金を取りつつ、竜を作ることに成功し、先手大優勢です。
ただし、もしも相手が1四や3四と歩をすでに上げていた場合、△1三角や、△3三角と逆に飛車取りをかけられますので注意しましょう。
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